OPECプラスが追加増産 ロシア落ち込みで供給拡大

OPECプラスが追加増産
ロシア落ち込みで供給拡大

 【ロンドン時事】石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は2日、オンラインで閣僚級会合を開き、7月と8月に追加増産に踏み切ることで合意した。西側諸国の制裁でロシアの産油量が落ち込む中、石油の安定供給を図る狙いがある。

 合意した両月の増産は日量約バレルバレルずつ。これまでは昨年7月の合意に基づき、毎月日量約40万~約43万バレルずつ増やす小幅増産方針を維持してきた経緯がある。

 今回も従来方針の踏襲が当初は有力視されていた。しかし、ウクライナ侵攻に対する西側諸国の制裁でロシアの産油量が大きく落ち込む中、石油の供給ペースを速める必要があると判断。日米欧の先進7カ国(G7)なども追加増産を働き掛けていた。

 欧州連合(EU)のロシア産石油の輸入禁止などを受け、原油価格は高止まりしている。代表的な指標の米国産WTI先物価格は5月末、1バレル=120ドルに迫り、一時約3カ月ぶりの高値を付けた。資源価格の高騰はインフレを招き、世界経済の逆風となっている。

 ただ、OPECプラスの中で余剰生産能力を持つ国はサウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などに限られる。ナイジェリアなど一部の国は既に生産目標未達となっており、実際にどれだけ産油量を増やせるかは未知数だ。  次回会合は今月30日に開く。

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