LNGフェリーが就航 道内初、苫小牧―大洗航路 商船三井グループの 「さんふらわあ かむい」

LNGフェリーが就航 道内初、苫小牧―大洗航路 商船三井グループの 「さんふらわあ かむい」
就航した「さんふらわあ かむい」の初便を利用した旅客ら

 海運大手・商船三井(東京)グループは21日、新造LNG(液化天然ガス)燃料フェリー「さんふらわあ かむい」を苫小牧―大洗航路の深夜便に就航した。二酸化炭素(CO2)排出量を従来船と比べて約35%削減する次世代フェリーで、LNGフェリーの道内初運航。関係者、利用客からは「最新鋭フェリーがいよいよ道内に来た」などと笑顔が広がった。

 初便は大洗からトラックドライバーも含めて73人を乗せ、21日午後7時45分ごろ苫小牧西港に到着。ドライバーらは車両でそのまま、観光客らは西港フェリーターミナルを管理運営する苫小牧港開発が昨年12月に新調したボーディングブリッジ(通路とフェリーを結ぶ搭乗橋)を通って苫小牧に降り立った。

 通路やロビーに「最新鋭のLNGフェリー 新たな未来へ歩み出す船」などと書かれた旗やポスター、出入り口付近に風船のアーチなどが飾られて就航記念ムードに包まれる中、東京都から夫婦で道内観光に訪れた会社員藤村純也さん(29)は「長距離フェリーが好きで新造船に興味があった。『だいせつ』と比べてきれいでリラックスできる」と笑顔。神奈川県の会社員田中義紀さん(52)も「初便に乗りたくて有休を取った。これからは船も環境のことを考える時代」と話していた。

 同グループは2023年から、LNGフェリー2隻を大阪―別府航路に投入しているが、「かむい」は東日本初のLNGフェリー運航で、重油燃料フェリー「さんふらわあ だいせつ」の代替船。運航する商船三井さんふらわあ(東京)の眞野昇一郎苫小牧支店長(50)は「環境への負荷軽減を図り、地域の発展に貢献していきたい」と改めてアピール。31日まで旅客運賃2割引きなど就航記念価格で運航している。

 「かむい」は同グループの次世代スーパーECO(エコ)フェリー。全長は従来船比約10メートル増の199・4メートル、総トン数は約4200トン増の約1万5600トンと大型化。旅客定員は157人で、大部屋を廃止し、全て個室化した。トラック積載可能数は13メートル換算で20台増の155台と拡張し、貨物トラック輸送が海上輸送などに切り替わる「モーダルシフト」を促す狙いも込めている。

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