食品に日用品、値上げ続々 夏以降も家計厳しく

食品に日用品、値上げ続々
夏以降も家計厳しく

 食料品や日用品などの値上げが止まらない。総務省が発表した4月の全国消費者物価指数は前年同月比2・1%上昇し、約7年ぶりの伸び率となった。夏以降も値上げの波は続く見通しで、家計の負担は厳しさを増しそうだ。

 ―食品などの値上げが続いている。

 昨年から食用油や小麦粉が値上げされ、冷凍食品やカップ麺などの加工食品、外食にも波及している。帝国データバンク(東京)の調査では、主要食品メーカー105社が2022年に値上げする商品は1万789品目(6月1日時点、実施済み含む)に及び、値上げ幅(各品目の最大値)の平均は%に達した。食品以外では、紙おむつやティッシュペーパー、衣料用洗剤なども価格が上がった。

 ―今後はどんな商品が値上がりするのか。

 7月は山崎製パンやフジパンのパン、日本水産のサバ缶などが値上げされる。8月はハウス食品がカレールー、10月には飲料各社がビールや清涼飲料水などの価格を引き上げる予定で、短期間で2度目、3度目の値上げに踏み切る例も多い。

 ―どうして値上げが相次ぐのか。

 新型コロナウイルスによる混乱がある程度落ち着き、世界各国で食料や燃料の需要が高まったことが背景にある。さらにロシアのウクライナ侵攻で、両国が主要産地となっている小麦や水産物などの国際価格が跳ね上がっている。日本は食品などの多くを輸入に頼っているため、円安も追い打ちだ。また、原油価格の上昇でレギュラーガソリンが一時1リットル当たり170円台まで上昇、輸送コストも上がっている。

 ―今後も値上げは続くのか。

 その公算が大きい。帝国データによると、7月以降に値上がりが決まっている食品は4504品目あるが、現在のペースでは年2万品目に達する可能性もある。政府が売り渡す輸入小麦の価格は4月と10月に決まるが、ウクライナ侵攻の影響が本格的に響くのは10月以降の見通しだ。

 ―ガソリンなど燃料費も上がっている。

 ガソリンは政府の補助金で値上がりを抑えているが、高止まりが続きそう。日本航空や全日本空輸は、6~7月発券分の国際線の旅客運賃に上乗せする燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)を過去最高水準に引き上げた。鉄道でもコロナ禍に伴う利用減などを受け、JR東日本や西日本、大手私鉄、地下鉄が来春からの運賃値上げを表明している。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る