大熊町の復興拠点、30日に解除 避難指示、原発立地自治体で初―福島

大熊町の復興拠点、30日に解除
避難指示、原発立地自治体で初―福島

 福島県大熊町や政府などは16日、東京電力福島第1原発事故による帰還困難区域のうち、町内の「特定復興再生拠点区域」(復興拠点)について、30日に避難指示を解除することで合意したと発表した。解除されれば、同原発の立地自治体の帰還困難区域で住民の居住につながる初のケースとなる。

 町と政府の原子力災害現地対策本部、県が合同で記者会見し、明らかにした。

 解除されるのは、町の中心部だったJR常磐線大野駅周辺地区や下野上地区など約860ヘクタール。大野駅や周辺道路などは、常磐線全線再開に伴い2020年3月に先行解除された。

 大熊町は11年3月の原発事故で、全町民約1万1500人が県内外に避難した。行政機能も同県会津若松市やいわき市に移転し約8年間、町全域で避難指示が続いた。19年4月に帰還困難区域外の避難指示が解除され、町は除染して比較的放射線量が低くなった大川原地区を復興加速の拠点に位置付け、帰還に向けた取り組みを進めてきた。

 同年5月からは同地区に建設された新庁舎で役場業務を開始。21年4月には商業施設がオープンし、町によると、今月1日時点で925人が町内に住んでいる。

 同町の復興拠点には事故前、約6000人が居住していたが、昨年12月に始まった「準備宿泊」の登録者は5月末時点で18世帯49人にとどまる。町は拠点内の人口を避難指示解除から5年で2600人にすることを目標にしている。

 復興拠点は県内6町村で指定され、今月12日に葛尾村で初めて避難指示が解除された。大熊町と同じく原発が立地する双葉町は、今月以降の解除を目指している。浪江、富岡、飯舘の3町村は来春の解除を予定している。

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