参院選・党首奮戦記 「聞く力」試される真価 自民党・岸田文雄総裁

参院選・党首奮戦記
「聞く力」試される真価 自民党・岸田文雄総裁
参院選が公示され、有権者に支持を訴える岸田文雄首相(中央)=22日、福島市

 第一声を上げたのは、昨年の衆院選に続いて福島県だった。原発事故の風評被害はなお続く。農産物直売所の前でマイクを握り、「自民党こそが国民の声を受け止める政党だと福島から伝える」と訴えた。逆境の中にある国民を見捨てないというメッセージを発し、売りである「聞く力」をアピールする狙いだ。

 安倍、菅両政権の発足時と比べて低水準で始まった内閣支持率は、新型コロナウイルス感染症やウクライナ危機への対応で徐々に上昇。低姿勢に見える政治スタイルも有権者に好感されたとみられる。

 だが、ここに来て、生活に欠かせない食料品などの価格高騰が影を落とす。世論調査では政府の対策を「評価しない」とする回答が「評価する」を上回り、支持率は下降線を描き始めた。

 公示の前日、自身がトップを務める「物価・賃金・生活総合対策本部」の初会合を開いた。第一声では「万全の態勢で臨む」と力を込めた。聞く力を「実行する力」に結び付け、国民の不安を払拭(ふっしょく)できるか、真価が問われる。

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