現実傾斜も信念曲げず 志位和夫・共産党委員長

現実傾斜も信念曲げず
志位和夫・共産党委員長
 演説を終え、タッチを交わす共産党の志位和夫委員長6月22日、東京・JR新宿駅西口

 「軍事対軍事の危険な道に引き込み、暮らしを押しつぶす。こんな道は止めよう」。地元千葉県の習志野市で熱心に耳を傾けていた支持者には高齢者が目立つ。ウクライナ危機を契機に防衛力強化が叫ばれる中、反戦平和の訴えに力がこもる。

 演説では「軍拡で平和は守れるのか」と唱え、憲法9条を生かした平和外交の重要性を説くのが定番。昨年の衆院選で立憲民主党との共闘路線が「野合」と批判され議席を減らしたが、党の立ち位置は変わらない。「野党連合政権」の旗は掲げたままだ。

 参院選を前に有事での自衛隊活用を持ち出したのも、安全保障環境が厳しさを増す中、現実路線をアピールし、「共産アレルギー」を払拭(ふっしょく)する思惑が透ける。ただ、「自衛隊は違憲」としてきただけに「ご都合主義」の批判も浴びた。

 大胆な路線転換を求める外野の声は耳に届かないようだ。来月に創立100年を迎える最古参政党を年以上、けん引してきた意地と責任もある。「党が伸びれば政治は必ず変えられる」。こう信じて全国を飛び回る。

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