旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)が傘下のテーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)を売却する方向で調整していることが21日、分かった。香港の投資会社などと交渉しており、売却額は数百億円に上るとみられる。HISは新型コロナウイルスの感染拡大に伴う旅行需要の減少で業績が悪化しており、売却で財務状況の改善を目指す。
HISはハウステンボス株式の約67%を保有し、残る株式は九州電力やJR九州などが保有している。売却後も投資会社の傘下で営業を継続するもようだ。
HISは2021年10月期連結決算で過去最大となる純損益の赤字を計上。22年4月中間期も海外旅行や電力小売り事業を中心に業績が振るわず、中間期として過去最大の赤字に陥ったが、ハウステンボスは来客数が回復し、黒字に転じていた。
ハウステンボスは1992年開業。オランダの町並みを再現し、九州の代表的な大型テーマパークとして知名度が高い。来場者数が低迷し、03年に運営会社が会社更生法の適用を申請。野村ホールディングス系投資会社の傘下で再建に取り組んだ後、HISが10年に買収した。














