穀物輸出合意に署名へ ロシアとウクライナ

穀物輸出合意に署名へ
ロシアとウクライナ

 【イスタンブール、ニューヨーク時事】ロシアとウクライナの代表団は22日、穀物輸出に関する合意文書に署名する。トルコ大統領府が21日、イスタンブールで署名式を行い、エルドアン大統領と国連のグテレス事務総長も出席すると発表した。ロシアによる軍事侵攻でウクライナ産穀物の輸出が滞り、世界的な食料危機に発展しかねないと懸念されている問題は、解決に向けて最初の一歩を踏み出すことになりそうだ。

 ロシアとウクライナに仲介役のトルコ、国連を加えた4者は輸出の停滞解消に向けて協議を継続。13日にイスタンブールで行われた会合では、黒海での輸送ルート確保などについて「実質的な合意」(グテレス氏)がなされ、その後に署名に向けた詰めの作業が行われていた。

 ロシアのプーチン大統領はこれより先、ウクライナ産穀物の輸出を進める上で、ロシア産の穀物輸出の妨げとなっている米欧などの対ロ制裁緩和が必要だという認識を示していた。合意の内容は明らかにされておらず、ロシア側の懸念が解消されたかは不透明だ。

 一方、国連のハク事務総長副報道官は21日、合意が成立してもウクライナからの穀物輸出が正常化するまでには「一定の時間がかかるだろう」と指摘した。

 また、ウクライナ外務省報道官は21日、署名に関連し、「ウクライナ南部の地域の安全や、黒海でのウクライナ軍の強い立場」などを保証する決定のみを支持すると強調した。

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