ファンの「聖地」、今も脈々―神戸 羽生結弦さんに変わらぬ期待

ファンの「聖地」、今も脈々―神戸
羽生結弦さんに変わらぬ期待
羽生さんが2011年7月に奉納した絵馬=神戸市東灘区

 フィギュアスケート男子の五輪金メダリスト、羽生結弦さん(27)のプロ転向を受け、ゆかりの地が改めて注目を集めている。神戸市東灘区の弓弦羽(ゆづるは)神社。本人を連想させることから、かねてファンの間では「聖地」として知られ、参拝客が絶えない。

 羽生さん自身も計4度訪れた。故郷が被災した東日本大震災発生後の2011年7月には「世界のトップになれますように…そして、東北の光となれるように!」と記した絵馬を奉納。熱心なファンも通うようになった。

 その後の競技生活では14年ソチ、18年平昌と五輪2大会連続で頂点に立ち、世界選手権も2度制覇。弓弦羽神社の宮司、沢田政泰さん(68)は「まさに有言実行そのもの。何が何でも思いを成し遂げるという強い精神力がすごい」と感嘆する。

 羽生さんの何気ない振る舞いに、真摯(しんし)に人生に向き合っている姿勢が感じられるという。五輪前の必勝祈願を行う社殿に上がる前、服装の乱れを正して、深々と一礼。五輪での2度の金メダル獲得後には、親しい人に配る記念品を贈ってくる律義さに触れた。沢田さんは「畏敬の念や感謝の気持ちを強く感じる」と語り、それが大願を成就できる強さの原動力とみている。

 新たな道を歩もうとする羽生さんに向け、弓弦羽神社には参拝客が応援の言葉をしたためた幾つもの絵馬が奉納されている。「これを見る羽生さんは、応援してくれる方のためにも頑張らなければ、と思うに違いない。前もそうだったし、これからも皆さんの期待に応えようとするはず」。羽生さんに対するファンの後押しを実感している沢田さんは、プロスケーターとしてのさらなる活躍を確信している様子だ。

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