【ワシントン時事】米航空宇宙局(NASA)は29日午前(日本時間同日夜)に南部フロリダ州のケネディ宇宙センターで予定していた月探査ロケットの打ち上げを延期した。約半世紀ぶりに人類の月面再着陸を目指す「アルテミス計画」の第1弾ミッションとなるはずだった。
打ち上げは9月2日以降となる。NASAによると、打ち上げ直前にエンジンのうちの1機でトラブルが発生した。ネルソン長官は「これは非常に複雑なシステムだ。全てが準備万端でなければ打ち上げは行わない」と説明した。
今回のミッションは新型ロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」に無人宇宙船「オリオン」を搭載し、月周回軌道に投入する。42日後に地球帰還を予定している。日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)も参画し、小型月面探査機「OMOTENASHI(オモテナシ)」をSLSに載せ、月面に送り込む。
NASAはこれを皮切りに1972年のアポロ17号以来、約半世紀ぶりに月面の有人探査計画を再始動する。第2弾では有人の宇宙船を月周回軌道に送り込み、第3弾で人類の月面再訪を予定している。
NASAは将来的に月の周回軌道に「ゲートウエー」と呼ばれる中継基地を建設し、月面での継続的な活動を目指す。また、火星の有人探査も視野に入れている。














