【パリ時事】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は8月31日、中国新疆ウイグル自治区で「深刻な人権侵害」が行われていると指摘する報告書を公表した。報告書をめぐっては、中国政府が発表しないよう要求していたとされる。
OHCHRは報告書で「身柄拘束の劣悪な環境に加え、度重なる拷問や虐待の疑惑は信ぴょう性が高い」と指摘。ウイグル族らが置かれる状況は「国際犯罪、特に人道に対する罪に当たる可能性がある」と強調した。
欧米諸国は、中国が同自治区で少数民族ウイグル族らを収容所に送って洗脳したり、強制労働させたりしていると非難。日本でも、大手アパレル企業が自治区で生産された「新疆綿」の使用を中止する動きが広がっている。
バチェレ国連人権高等弁務官は5月に同自治区を視察したが、視察内容は全て非公開で、人権侵害の実態は全く明らかにされなかった。人権団体は、バチェレ氏が人権侵害を否定する中国に融和的な姿勢を取ったと批判していた。
バチェレ氏は任期満了に伴い、31日付で退任した。














