病床確保義務付け、罰則創設―政府 感染症法改正へ、民間にも「協力」

病床確保義務付け、罰則創設―政府
感染症法改正へ、民間にも「協力」

 政府は2日午前、首相官邸で新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、さらなる感染拡大に備えた方針を決定した。高度医療を提供する特定機能病院や地方医療の中核を担う地域医療支援病院に感染症のまん延時、病床確保などの医療提供を義務付け、応じない場合の罰則を設けるほか、民間医療機関には「協力」を求める。こうした内容を含む感染症法などの改正案を今秋の臨時国会に提出する。

 席上、岸田文雄首相は「平時から計画的に体制を整備することで有事に確実に医療が提供されるようにする」と述べた。

 改正案では、都道府県と医療機関は病床確保や発熱外来設置などに関する協定を締結する。医療機関が違反した場合、「勧告・指示・公表」を行い、特定機能病院などは承認を取り消す。承認取り消しとなれば診療報酬の優遇が受けられなくなる。

 水際対策の実効性を高めるため、感染が疑われる個人に自宅などでの待機を指示できるとし、待機時の状況報告に応じない場合の罰則を創設する。緊急時、政府が事業者に医薬品やマスクなどの生産を指示・支援できる枠組みも整備する。

 医療機関や個人・事業者に対する国や自治体の権限強化につながる内容で、国会でも議論となりそうだ。

 感染症対策の司令塔機能強化に向けた関連法案や、新型コロナ対策の特別措置法改正案も来年の通常国会に提出する。2023年度中に内閣官房に「内閣感染症危機管理統括庁(仮称)」を設置。トップとなる「感染症危機管理監」には官房副長官級、次長の「感染症危機管理対策官」に厚生労働省医務技監を充てる。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合し発足する専門家組織は年度以降に設置する方針だ。

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