東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)=受託収賄容疑で逮捕=がスポンサー選定で、出版大手KADOKAWAについても仲介した疑いのあることが3日、関係者への取材で分かった。同社から、高橋容疑者の知人が社長を務めるコンサルタント会社が計約7000万円を受領していた。
東京地検特捜部は、一部が高橋容疑者に渡った可能性があるとみて、KADOKAWA経営陣らから任意で事情聴取するなどして経緯や資金の流れを調べている。
関係者によると、KADOKAWAは2019年4月、「書籍・雑誌の出版サービス」のスポンサーとしてオフィシャルサポーター契約を締結。その後、電通出身で、高橋容疑者の知人が社長を務める東京都内のコンサル会社との間で、五輪事業を含むスポーツビジネスのコンサル契約を結び、計約7000万円を支払った。
KADOKAWA側はこの社長に以前からスポンサーの話をしていたとみられ、相談を受けた高橋容疑者が電通や担当部署の組織委マーケティング局に仲介するなど働き掛けた疑いがあるという。スポンサーの分野は当初「印刷・出版」として計画されたが、出版が分離されて2社が応募。最終的にKADOKAWAが残り、数億円で契約した。
特捜部の任意聴取に対し、KADOKAWA経営幹部は「コンサル料はスポンサーになるためではない。社長と高橋氏が電通時代からの知り合いだとは知っていたが、それ以上のつながりは知らなかった」などと説明しているという。
汚職事件で、高橋容疑者は17年1月~21年6月にAOKIホールディングス前会長の青木拡憲容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=らからスポンサー契約や公式ライセンス商品販売契約などで便宜供与を依頼され、謝礼としてコンサル料名目で計5100万円を受領したとして逮捕されている。














