広告大手「大広」を家宅捜索 元理事側に現金、贈賄容疑―五輪汚職・東京地検

広告大手「大広」を家宅捜索
元理事側に現金、贈賄容疑―五輪汚職・東京地検

 東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は5日、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(48)=受託収賄容疑で逮捕=が、広告大手「大広」(大阪市北区)についても大会の専任代理店だった電通に仲介し現金を受領した疑いがあるとして、贈賄容疑で大広の本社や東京本社(東京都港区)などを家宅捜索した。

 特捜部は、高橋容疑者が組織委や電通に、紳士服大手AOKIホールディングスや出版大手KADOKAWAなど複数の企業を仲介して多額の現金を受け取っていたとみて、全容解明を進めている。

 関係者によると、組織委は2014年4月、スポンサー募集などを担うマーケティング専任代理店に電通を指名。電通は一部業務を「販売協力代理店」として他の広告代理店に再委託した。大広も選ばれ、サービス系企業のスポンサー契約を担った。

 電通出身の高橋容疑者は、協力代理店の選定過程で大広から依頼を受けて電通に働き掛け、18年以降、知人が社長を務めるコンサルタント会社を通じて大広から現金を受領した疑いがあるという。

 知人の会社はKADOKAWAと五輪事業などでコンサル契約を結び、19年4月以降に計約7000万円を受け取り、一部が高橋容疑者に渡った疑いがあることが判明している。KADOKAWAは直前に組織委と出版分野でスポンサー契約を締結しており、高橋容疑者が知人を通じて同社から相談を受け、組織委や電通に働き掛けたとみられている。

 高橋容疑者はAOKI前会長の青木拡憲容疑者(83)=贈賄容疑で逮捕=らからスポンサー契約や公式ライセンス商品販売契約などで便宜供与を依頼され、謝礼としてコンサル料名目で計5100万円を受領した疑いで、8月17日に逮捕された。今月6日に勾留期限を迎える。

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