しめ縄作り追い込み 苫小牧の中山商事

しめ縄作り追い込み 苫小牧の中山商事
「こぼう締め」を手際良く仕上げる中山代表

 師走に入り、苫小牧市高砂町の中山商事(中山稔代表)で、正月用のしめ縄作りがピークを迎えている。市内唯一のしめ縄製造卸業者で、一般家庭や企業、神社などから今年も多数の注文を受けている。中山代表(69)は「しめ縄を飾らない家庭も増えているみたいだが、正月の文化としていつまでも残ってほしい」と願う。

 むかわ町の農家から取り寄せた稲わらで芯を作り、青森県産の乾燥スゲを巻いて仕上げるのが同社のこだわり。材料の調達は価格高騰などで年々難しくなっているが、長年製法を変えていないという。

 中山代表や数人のパート従業員は、いずれもこの道50年前後のベテランで製作は10月から本格化。師走を迎え、注文の電話が相次ぐ中、中山代表らは熟練の手つきでスゲの束を伸ばしたり、ねじったりして編み込み「ごぼう締め」を次々と仕上げていく。

 宝船やおかめ、小判といった縁起物の取り付けも実施。出荷前の商品は変色を避けるため、暗室に保管する。中山代表は「『ここのしめ縄がいい』と市外から買いに来てくれる人もおり、職人として最高にうれしいこと」と語る。

 作業は今月下旬まで続くという。

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