行っていいのか、悪いのか。計画を立てていても、心が浮き立たない。遠くに住む友人と、年に一度の再会を兼ねて旅をする。毎年お盆が過ぎて観光地がすいている時期に、1泊かせいぜい2泊の楽しみだ。
ずっと行ってみたいと思っていた石川・能登の宿は、早々に諦めた。新型コロナウイルスの感染拡大地域からはもちろんのこと、公共交通機関で来るのも避けてほしい、という趣旨がホームページに書かれていたからだ。いつも温泉のお湯と食事が選択の基準だが、今年は行っても嫌がられないか―を一番に気にしてしまう。
「GoToトラベル」は疑問の多いキャンペーンだ。政府が需要喚起の旗を振っているから旅行するわけではないので、適用条件を詳しく調べてはいない。だが「60代以上の団体旅行は除外」と言われると、団体ではないし、60代もギリギリ手前だけれど、やはり歓迎されない客なのかと思う。
感染症をうつしても、うつされてもいけない。細心の注意を払うつもりだ。でも、観光庁のGoToトラベル公式サイトの「新しい旅のエチケット」を見て、また気持ちがなえた。▽楽しくも、車内のおしゃべり控えめに▽おしゃべりをほどほどにして、味わうグルメ―。「旅行の各場面ごとの留意事項を掲載しています。耳でも覚えやすい五七五の形式で紹介しています」だと。これも「日本モデル」とでも言うのだろうか。(吉)









