白老 「木彫り熊」焦点に 22日から元陣屋資料館で考察展

白老 「木彫り熊」焦点に 22日から元陣屋資料館で考察展
「白老、北海道の木彫り熊を巡る考察展」をPRする印刷物

 白老町の仙台藩白老元陣屋資料館で22日から9月22日までの1カ月間にわたり、「白老、北海道の木彫り熊を巡る考察展」と題したイベントが開かれる。北海道土産の代名詞とされ、白老でかつて盛んに生産された「木彫り熊」をテーマにした企画で、地元白老やルーツとされる地域の作品を紹介。熊の意匠付き土器などの文化財も展示し、先史時代から続くヒグマと人の文化的関係性に光を当てる。

 自然や文化など地域資源を活用した「ウイマム文化芸術プロジェクト」(文化庁、実行委員会主催)の一環で、町教育委員会が共催する。

 木彫り熊をテーマした展覧会は、昨年に続く第2弾の企画。今回は白老のみならず、全道的な視点から文化的、歴史的価値を考察する内容とし、昨年より規模を広げて約200点の資料を展示する。

 会場では、木彫り熊のルーツとされる渡島管内八雲町や旭川市をはじめ、昭和期に木彫り熊の一大生産地となった地元白老の作品を紹介する。また、熊の意匠付きの土器やスプーンなど、北海道博物館や苫小牧市美術博物館が所蔵する続縄文文化期、オホーツク文化期の貴重な文化財も展示。さまざまな資料で木彫り熊の系譜をたどり、熊と人間の文化的関係性についても理解を深めるイベントとする。

 関連行事として開幕の22日午後1時半から同資料館で講演会を開催。八雲町木彫り熊資料館の大谷茂之学芸員が「木彫り熊の魅力~北海道土産としての始まりと展開」を演題に話す。9月12日にはシルクスクリーンのアーティストグループ・シルキオプロジェクトの協力で「熊のプリント体験」(午後2~4時)を企画。最終日の同22日には、展示監修に当たった美術評論家中村一典さん(札幌)らのギャラリートーク(午後2時半~4時)を行う。

 入館料は一般300円、小中学生150円、町民無料。開催時間は午前9時半から午後4時半。休館は8月24日と31日、9月14日。問い合わせは同資料館 電話0144(85)2666。

 考察展の期間中、サテライト会場の宿泊施設「haku(ハク)ホステル」(同町大町3)でも木彫り熊を展示する。観覧無料で、時間は午前8時半から午後10時。

 昨年9月に同資料館で開催した「白老の木彫り熊展」は期間中、1200人の来場を記録し、人気を呼んだ。

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