道内を代表するプロオーケストラ、札幌交響楽団によるむかわ公演が22日、同町の道の駅「四季の館」たんぽぽホールで開かれた。透明感や迫力ある演奏を繰り広げ、約180人の聴衆に音楽を通じて元気のエールを送った。
同楽団は1961年に発足し、「札響」の愛称で親しまれる道内唯一のプロオーケストラ。例年、道内外で約120回にわたるコンサートを行っているが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2月から5カ月にわたり、活動を休止していた。
むかわ町では、胆振東部地震の被災地復興支援として開催された。共催する町教育委員会によると、会場は新型コロナウイルス感染症対策として座席の間隔を空けたほか、入場の際には検温と手指消毒を徹底して行った。
公演は2部構成で行われ、第1部は被災者に哀悼の意を込めてJ・Sバッハの「G線上のアリア」をはじめ、スッペの喜歌劇「軽騎兵」序曲など5曲を演奏。第2部はドボルザークの交響曲第8番ト長調を届けた。
頭の中に情景が浮かんでくるような美しい音色や心躍るような迫力ある内容で聴衆を魅了し、公演後も拍手が鳴りやまなかった。鵡川中学校吹奏楽部部長の佐藤曖梨さん(14)=3年=は「オーケストラを聴く機会はなかなかないので1曲目から最後まで感動した。コロナで演奏する機会がない中で、音楽が聴けてよかった」と話していた。

















