苫小牧市内の貸し切りバス事業者が、新型コロナウイルス対策を強化している。感染のリスクが高い3密(密閉、密集、密接)への懸念から団体客のキャンセルが相次ぎ、売り上げが大きく落ち込んでいるためだ。空調システムを用いた車内の換気や次亜塩素酸水噴霧器による消毒などあの手、この手で対策を講じ、安全性をアピールしている。
日軽北海道(晴海町)は例年、町内会行事や学校の部活動などの一般貸し切りで月150~200件の予約が入るが、今年9月までの予約分で計753件のキャンセルが発生している。自動車関連企業の従業員送迎で1日7~8台のバスを稼働させているものの、売り上げは前年より全体で5割ほど落ち込んでいるという。
同社は、空調システムで車内の空気が5分で入れ替わるようにしているほか除菌効果があるとされ、九州地方のバス会社などが取り入れている次亜塩素酸水噴霧器を6台導入。運転席の背後にはアクリル板を設置し、感染拡大防止に努める。同社サービス事業部の白坂哲哉部長は「バスの座席を間引き、運行台数を増やすなど他にもできることは何でもしたい」と話す。
ほくしょう運輸(柳町)も2~7月で、団体利用のキャンセルが71件発生。バス・タクシー部門での売り上げが前年比で2割以上減ったが、トラック輸送や葬儀参列者のバス送迎なども手掛け、事業全体で落ち込みをカバーしているという。
同社の安孫俊博社長は「東京や大阪で感染者が増えており、リスクを恐れて旅行を控える動きは根強い」と指摘。感染予防へドライバーの体温測定やマスク着用はもちろん、車内に空気清浄機も導入。出発前のシート消毒も徹底させている。
14台のバスを抱えるはな交通(錦岡)も、コロナの影響で2月末以降の国内旅行会社のキャンセルが約100件に上っている。JR日高線の代行バスや苫小牧工業高等専門学校の学生の送迎で3台が稼働中だが、売り上げは前年の半分以下。追い打ちをかけるように感染を心配し、自主退職するドライバーも出たという。
ドライバーのマスク着用や車内のアルコール消毒に加え、乗客に対しても集客施設で感染者が出た際、他の利用者にメールで知らせる「北海道コロナ通知システム」登録を求めるなど対策を強化。9月以降、修学旅行など一定の需要はあるが、同社の綱木輝幸専務は「11月以降の見通しが立たない」と複雑な表情を見せた。
北海道バス協会によると、道内ではインバウンド(訪日外国人旅行者)激減に伴う売り上げ低迷に苦しむ貸し切りバス事業者が多く、イベントを開いて安全性を周知する事業者もあるという。
同協会の佐藤秀典専務は「新型コロナ流行で公共交通機関を敬遠するムードがある。感染防止対策をアピールし、利用者の懸念を拭い去りたい」と力を込めた。
















