8月に苫小牧市民会館で開かれた、苫小牧東高校OBで直木賞作家、馳星周さんの講演会を取材した。馳さんはざっくばらんな口調で自身の半生を振り返り、「好きなことを見つけられれば、人生は幸せ」と語った。
講演会後、ロビーではサイン会も開かれ、会場には来場者らの長い列ができた。その中で大人に混じり、本を抱きかかえながら順番を待つ一人の男の子がいた。少し緊張した面持ちで馳さんの前に進んだ少年は、馳さんからサインと一緒に「頑張れよ」という言葉を掛けてもらい、満面の笑みを浮かべた。
弾むような足取りで母親の元に戻ったその少年に、話を聞いた。市内の小学校6年生というその子は、読書好きなこともあって母親と一緒にこの講演会に参加。馳さんの講演にちなんで「好きなことはあるの?」と尋ねると、「発明すること!」という元気な返事。そして、「本で知識を深め、プラスチックごみをエネルギーに変える発明家になりたい」と続けた。
帰り道、自分の好きなことは何だろう―と考えた。いろいろあるが、一番はやっぱり書くことだ。少年のキラキラとしたまなざしを見て、作文が大好きだった自分の少女時代を思い出した。(百)
















