今年6月中旬に発売されたアイヌ民族などを題材にした人気漫画「ゴールデンカムイ」(集英社)の22巻に、苫小牧市美術博物館が所蔵しているアイヌ民具のたばこ入れと矢毒入れ(スルクオプ)が登場し、同館関係者を驚かせている。作者の野田サトルさん=北広島市出身=から同館に記念の色紙も届き、現在は実物のたばこ入れと一緒に同館2階で展示中。同館担当者は「今回の出来事を機に、アイヌ文化に関心を持つ人が増えてくれるとうれしい」と期待する。
同館所蔵のたばこ入れは木製で大きさは縦10・5センチ、横9センチ、厚さ5・5センチ。たばこを入れる本体とふたに分かれ、表面と裏面に鮭を担いで立ち歩きをするヒグマの絵が彫られている。矢毒入れも木製で、長さは約20センチ。いずれも1981年ごろ、市が購入して所蔵品となったとみられ、同館2階で展示されていた。
「ゴールデンカムイ」は週刊ヤングジャンプで連載中の人気漫画。明治時代後期の北海道を舞台に、元兵士の男と、純真無垢(むく)なアイヌ民族の少女が繰り広げる冒険を描いている。作中では、アイヌの生活用具も多数取り上げられており、特にたばこ入れは今回の物語の中心人物である砂金掘り師の持ち物として登場。物語を盛り上げるアイテムとして使われている。
7月上旬、同作に関するインターネット上の投稿を見た同館学芸員が、作中の矢毒入れとたばこ入れが同館所蔵のものとよく似ていることに気が付き、出版社に連絡。作者の野田さんに確認が取れ、同館所蔵の品がモデルになったことが分かったという。
同作は野田さん自身や関係者による資料収集、取材活動などを基に、アイヌの文化や言葉、風習、食事などが丁寧に描かれている。このたばこ入れなども関係者が同館を訪れ、モデルに選んだとみられる。
8月上旬、野田さんは自身のツイッター(短文投稿サイト)で、作中に登場したたばこ入れが同館に展示されていることを紹介。取材協力への感謝を示したほか、登場人物を描いた直筆のサイン色紙も同館に贈った。
学芸員は「人気漫画に当館所蔵の品が登場するとは思いもしなかったので、とても驚いた」と話す。同作品のファンから問い合わせもあるといい、「ぜひ多くの人に実物を見てもらい、アイヌ文化に触れてほしい」と語っている。
開館時間は午前9時半~午後5時。月曜休館。2階展示室を観覧する場合は入館料が必要。





















