スタートから間もなく2年 安平・地域サロン「あん」  住民の癒やし 憩いの場に

スタートから間もなく2年 安平・地域サロン「あん」  住民の癒やし 憩いの場に
追分のまちなかで開催されている地域サロン

 安平町追分地区で高齢者支援などを目的に活動を展開している地域サロン「あん」(佐々木信子代表)が利用者に好評だ。2018年9月の胆振東部地震があった翌月からスタートし、間もなく2年を迎える。震災や新型コロナウイルスの感染拡大の影響による活動制限などで、疲弊する地域住民の心のケアや癒やしを与える役割を果たしており、利用者に喜ばれている。

 「ご苦労さま、お茶でも飲んでいかないかい?」―。好天に恵まれた日中、追分ふれあいセンターいぶきの前に設置されたテラスは地域の住民でにぎわい、お茶やおはぎ、メロンの乗ったテーブルを囲んで世間話を楽しむ光景が広がっていた。初めて足を運んだという80代の女性は「散歩をしていて、何かやっているなと思って来てみた」。人が人を呼ぶように訪れた別の女性も「こんなことがないと、なかなか集まらないしね」と笑顔を見せ、「また来るね」と手を振って帰っていった。

 地域サロンは、高齢者支援とまちなかのにぎわいを創出しようと、地元の有志が立ち上げた。安平町と安心・安全の「安」を取って「あん」と名付けた。当初は一昨年9月に第1回のサロンを計画していたが、その矢先に胆振東部地震が発生し、10月に仕切り直して活動を開始。毎月第1月曜日に同センターの一室を会場に町の支えあい活動交付金などの助成制度を活用し、茶話会を展開してきた。

 活動が始まった当初は「揺れでガラスが割れて怖かった」など震災の恐怖体験を語る人が多かったが、時間がたつにつれて近所での出来事や子どもの頃の思い出話など明るい話題が増えた。コロナ禍の影響で3月から5カ月ほど中止になっていたが、8月には対策を講じて屋外で開催したところ、再開を待ちわびた多くの住民が訪れ、話に花が咲いた。

 佐々木代表は「いろんな使い方があっていいと思うし、自分たちも楽しんでいる。みんなでその時その時の情報やニーズを聞いて、次につなげていきたい」と話していた。

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