カーボンリサイクル 実現可能性を調査 23年度にも実証試験へ 苫小牧CCS促進協が改組

カーボンリサイクル 実現可能性を調査 23年度にも実証試験へ 苫小牧CCS促進協が改組
国の新たな動きに合わせて改組した協議会

 二酸化炭素(CO2)を回収して地中にためる技術(CCS)の実証試験が行われた苫小牧市を舞台に、国はCO2を燃料などに変えるカーボンリサイクル事業の実施に向けた検討をしている。今年度は実現可能性調査などを展開し、2023年度にも実証試験を行う考え。苫小牧CCS促進協議会(会長・岩倉博文市長)は16日、苫小牧CCUS(CO2回収、有効利用、貯留)・カーボンリサイクル促進協議会に改組し、地域一丸で新たな国の動きを推進する。

 国は12年度から国内初の大規模プロジェクトとしてCCS実証試験事業を展開。日本CCS調査(JCCS)が同年度から国、18年度から国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託で行っている。

 市内真砂町に300億円以上を投じて実証試験プラントを建設し、CO2の分離、回収、圧入、貯留、モニタリングを実施。16年4月からCO2を苫小牧沖の地中に圧入して、19年11月に目標の30万トンに到達し安全に実用化できる技術と結論付けた。

 カーボンリサイクルはCO2を炭素資源と捉え、燃料などを製造する再利用技術。国はCCS実証試験プラントを有効活用するため、同プラント隣地での新たなプラント建設を想定する。CCS実証試験は出光興産北海道製油所がCO2を提供したがこの中に含まれている水素を生かし、メタノールなど化学品を製造するのが狙い。道内にメタノールを製造する企業はなく、新たな産業の創出にとどまらない波及効果が期待される。

 20年度はNEDO委託事業として、実現可能性調査や基本設計などを三菱パワー、三菱重工エンジニアリング、三菱ガス化学の3社が実施。メタノール合成が技術的に可能かなどを事前に調べ、来年2月までに基本設計を終える予定となっている。国が順調に予算化すれば21、22年度にプラントの実施設計と建設、23年度にも実証試験を進める方針だ。

 16日は官民38事業所や団体などで構成する、苫小牧CCS促進協議会が21年度総会を開き、CCUS・カーボンリサイクル促進協議会に改組。引き続き市民への広報や周知活動をはじめ、関連産業の誘致に取り組むことになった。岩倉市長は「新たなプロジェクトでも最大限協力し、地元経済の活性化につながるよう取り組む」と強調した。

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