苫小牧市美術博物館は、同市出身で北海道昆虫同好会の会員だった故廣田良二さん(1947~2015年)が生前、全国各地で収集したチョウの標本を展示している。寄贈を受けて6年前に一度公開し好評を得たが、それ以降は標本の保護を理由に展示を見送っていた。来年春ごろまで、第1収蔵展示室で鑑賞できる。
同館によると、標本は16年5月に廣田さんの友人を介し、遺族から寄贈された。チョウは191種計1685点を数え、国内で生息の記録が残る約7割、道内に絞ると約9割をカバーしている。
中学生の頃、チョウの採集を始めた廣田さんは在野の研究者ながら全国を駆け巡り、共通の趣味を持つ人たちと交流を重ねながらコレクションを充実させてきた。寄贈時の標本の状態は良好で、すべてに採取の年月日や場所などの基本情報の記載があったという。
公開は18年4~7月の収蔵品展で、全標本を並べて以来。江崎逸郎学芸員は「照明を当て続けると羽の色が変わってしまうため、長期間の展示は難しい。5年ぐらいは間を置きたい」と再公開まで時間を要した経緯を説明する。
今回は全標本の半数に相当する約800点を10月から展示。ヒメシロチョウをはじめ、羽の裏面に黒い斑点があるゴマシジミ、「春の女神」とも呼ばれるヒメギフチョウなど今では希少な種もあり、小まめに入れ替え、紫外線を抑えた照明で傷みにくいよう配慮している。
家族、親戚と鑑賞した苫小牧緑小4年の相馬夏帆さん(10)は「羽が虹色のチョウもあってきれい」と目を輝かせた。同小6年の兄、南朋君(12)も学芸員から標本管理の難しさについて説明を受け、「羽の色がしっかり残っていてすごい」と見入っていた。
江崎学芸員は「日本列島のチョウ類を知る上で貴重な資料。できるだけたくさん見てほしい」と来場を呼び掛ける。
観覧料は一般300円、高校・大学生200円、中学生以下無料。
















