宮沢賢治の原稿 複製品見つかる 故斉藤征義さんの自宅から 斉藤世界館で 来年1月公開

宮沢賢治の原稿 複製品見つかる 故斉藤征義さんの自宅から 斉藤世界館で 来年1月公開
一般公開に向け、複製品などを整理する斉藤世界館館長の丸山さん

 宮沢賢治研究の第一人者で詩人の故斉藤征義さんの自宅(千歳市あずさ)から、賢治の原稿を精密に再現した複製品が多数見つかった。50回忌にちなんだ宮沢賢治展が1975~82年、全道のデパートなどで開かれた際、7会場で展示されたもの。苫小牧市王子町1の「斉藤征義の宮沢賢治と詩の世界館」は遺族から預かったこれらの資料を整理し、来年1月6日の斉藤さんの三回忌に一般公開する考え。

 資料は今月3日、自宅を掃除していた斉藤さんの妻啓子さんが発見した。黄色いファイル1冊に、全道各地で開かれた賢治展のポスター、「永訣の朝」「風の又三郎」の初稿の複製品や色紙、賢治の死を伝える当時の新聞記事、賢治の実弟、故宮沢清六さんからの感謝がつづられた直筆の手紙などが保管されていた。

 複製品は賢治の筆跡や形状、紙の材質も初稿を精密に再現しており、紫外線を防ぐためか硬質なクリアファイルに入れられていた。特に「永訣の朝」は、賢治が生前出版した詩集「春と修羅」の初版にしかない「天上のアイスクリームになって」という表現が用いられている。

 清六さんの手紙は、岩手県花巻市に82年に開館した宮沢賢治記念館の盛況ぶりや協力への感謝がつづられ、「原稿の複製試作12編を同封いたしましたから御笑納ください」と結ばれている。

 斉藤世界館館長の丸山伸也さん(68)は「清六さんが斉藤さんを信頼していた証し。さまざまな資料を託していた中の一つだ」と分析し、「門外不出だった資料を約40年ぶりに公開することになる」と話した。

 斉藤さんは1943年帯広市生まれの詩人で、元苫小牧民報記者。退職後は旧穂別町(現むかわ町)役場に勤務し、穂別地区を拠点とした高齢者による映画製作団体「田んぼdeミュージカル委員会」を創設した。99年の詩集「コスモス海岸」で北海道詩人協会賞を受賞。昨年1月に亡くなった。

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