苫小牧署管内 高齢者の保護や捜索増加、早期発見へ見守り事業の事前登録を

 苫小牧署管内で近年、高齢者(65歳以上)の保護や行方不明者の捜索人数が増加している。2020年8月末までの集計では、保護人数が71人。行方不明で捜索依頼を受けたのは27人で、このうち認知症、もしくは認知症の疑いがある高齢者は14人だった。同署や市内の地域包括支援センターなどは高齢化の進展を踏まえ、行方不明者の早期発見につながる取り組みを推進。市民に積極的な利活用を呼び掛けている。

 同署が集計した年間保護数を見ると、16年363人、17年326人、18年262人、19年244人と減少傾向にあるが、高齢者は16年83人、17年91人、18年96人と3年連続で増加。19年も92人と高い水準が続く。また、行方不明者に占める高齢者の人数は増減を繰り返しながら年間20~30人台で推移。直近の19年は34人で、このうち14人は認知症、もしくはその疑いがある人だった。

 同署はさらなる高齢化により、今後も保護や行方不明の捜索依頼は高止まりが続くとみており、早期発見の重要性を強調。苫小牧市が進める「見守りSOSネットワーク事業」への事前登録を推奨している。

 この事業は同署に行方不明の捜索依頼が入ると、市内の高齢者福祉施設や地域包括支援センター、公共交通機関の関係者、民生委員・児童委員などにその情報が伝わり、連携しながら捜索に協力する仕組み。行方不明者の特徴はメールやファクスで連絡し、それぞれが業務などを進めながら捜索するという。

 生活安全課の石田広明係長は「健康な人でも散歩途中で体調を崩したり、帰り道が分からなくなったりするケースがある」と指摘。時間がたつほど捜索範囲が広がるため「気付いた時点ですぐ警察に連絡を」とし、早期発見に向けては、外出時の服装確認や玄関先に防犯カメラを設置して映像を残すなど、捜索に有効な情報提供も呼び掛ける。

 苫小牧市東地域包括支援センターは高齢化社会を見据え、15年に連絡先を記したキーホルダー型の「緊急ホルダー」を作成。高齢者に携帯してもらい、外出先で迷ったり、事故に遭ったりした際の身元確認に活用している。ホルダー内には同センターの連絡先が記されており、事前の登録があればスムーズな身元確認が可能。現在は約500人が登録しているという。

 米田清美センター長は「身に付けることで何あったときに安心と思い始めたが、今年に入ってこのホルダーが役立った事案があった」などと話す。

 近年は自宅で認知症の高齢者を介護する世帯も増えているが、「一人で抱え込まず、周囲に助けを求めることも大切。地域で見守ることが事故の未然防止にもつながる」と話している。

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