ウポポイ周辺道路交通量増加 住民から事故懸念の声-白老

ウポポイ周辺道路交通量増加 住民から事故懸念の声-白老
車の通行量が増えたウポポイ前の道道

 白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)周辺道路の車の交通量が、7月12日のウポポイ開業後に大幅に増加し、地域住民の間で交通事故発生の懸念が広がっている。ウポポイ前の道道白老大滝線の交通量を道路管理者の室蘭建設管理部が調べたところ、開業後の交通量が約1・5倍増となった。今後、新型コロナウイルス感染拡大が落ち着き、ウポポイの入場制限措置が緩和、解除された段階でさらに増えると予想される中、地域から対策を求める声も出ている。

 室蘭建設管理部によると、交通量調査はウポポイ前の道道白老大滝線と、近くにある小沼線通り踏切の2カ所に調査ポイントを設定。ウポポイ開業当日の7月12日、祝日の同24日、お盆時期の8月13日にそれぞれ午前7時から午後7時の12時間実施し、2015年に行った調査数値と比較した。

 その結果、7月12日は道道で15年比2300台増(1・54倍)の6500台、同24日は1800台増(1・42倍)の6000台、8月13日は2100台増(1・5倍)の6300台となり、ウポポイ開業前に比べ1・5倍程度増加していた。

 また、小沼線通り踏切でも、7月12日は15年比1000台増(1・22倍)の5400台、同24日は400台増(1・09倍)の4800台、8月13日は1100台増(1・25倍)の5500台となり、開業前に比べて車の通行量が増えた。

 交通量の増加は道民を中心に、マイカーでウポポイ見学に来る人の多さを物語っている。一方、周辺道路を走る車が増えたことに、地域住民から交通事故を心配する声も上がっている。

 ウポポイ近くに住み、幼児を育てている女性は「明らかに通行車両が増え、子供が事故に遭わないかと不安になる」と話す。ウポポイ前の道道や付近の踏切は子供たちの通学路でもあり、また、地域に高齢者も多いことから、ウポポイに隣接する白老若草町内会の岩間隆一会長は「町内全体の生活道路で車が増え、町道でもスピードを出して運転するドライバーがいる」と指摘。「事故が起きる心配があり、今後も通行車両が増える可能性がある中で町などに対策を求めたい」と言う。

 ウポポイは新型コロナ感染防止策で1日入場者数の上限的目安を2500人程度とし、インターネットによる入場の事前予約制を導入している。だが、今後、感染拡大が収束し対策を緩和、解除した段階では、車の通行量がさらに増えると予想されるため、町生活環境課は「警察や道路管理者と連携し、状況を見ながら事故防止の啓発活動などに取り組みたい」と言う。

 道道を管理する室蘭建設管理部も「入場制限の緩和や解除後、また交通量を調査し、地元の要請を踏まえて必要な対策を考えたい」と話す。

 一方、国道を管理する室蘭開発建設部は白老町社台の国道36号で、室蘭建設管理部による道道調査と同じ日に交通量調査を実施。15年調査との比較で1~1・25倍となったが、同部は「ウポポイ開業によって車が増えたのかどうか、理由は分からない」としている。

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