苫小牧市は8日、拓勇西町の市自然環境保全地区「沼ノ端拓勇樹林」(3.2ヘクタール)の観察会を行った。樹林内の環境を市民に知ってもらおうと企画し、25人が参加した。
市からの委託で自然環境調査を実施しているエコニクス(札幌)のチーフコンサルタント田口敦史さんが講師を務め、同樹林が植生の変化に富み、特定の植物を食べる昆虫も生息していることを説明。「人の手が入らず、自然の状態が守られてきた森だ」と強調した。
樹林の近くで生まれ育った同町の矢内信一さん(81)は「子供の頃はハスカップもエゾイチゴもたくさんあった」と振り返り、「森は私の人生と共に歩んできた宝物だ」と目を細めた。
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観察会に先立つ7日、苫小牧市自然環境保全審議会が市役所で開かれ、エコニクスが8月までの調査結果を報告した。環境省のレッドリストに記載されている植物のベニバナヒョウタンボクや、チョウ類のゴマシジミ北海道・東北亜種など、植物229種、鳥類28種のほか複数の昆虫類を確認した。田口さんは「一般的な山に比べて植物の種類が多く、市街地では生息できない動植物が残る貴重な空間だ」と述べた。
沼ノ端拓勇樹林は1995年に保全地区に指定された。現在は周囲が住宅地となり、ごみ投棄や倒木への不安、落ち葉が住宅敷地内に入るなど住民からの苦情も寄せられている。市は今後、住民アンケートも実施し、審議会の意見を聞きながら、来年度中に同樹林の在り方をまとめる。
審議会は市長の付属機関で、委員の任期は2年。この日は会長に苫小牧工業高等専門学校の下タ村光弘教授を選任した。
















