苫小牧市しらかば町のデイサービス施設「宅老所昭ちゃん家(しょうちゃんち)」は15日、同施設の利用者がホールスタッフとして接客する「なまら注文をまちがえる喫茶店」を初めて実施する。認知症になっても地域で暮らしたいと願う人を支援する同施設が、楽しみながら利用者の自立支援を進めようと企画した。当日は新型コロナウイルス感染予防対策として、来店客を事前に予約した医療・福祉、介護従事者のみに限定して開催する考えだ。
この取り組みは昨年12月ごろに発案した。地域住民の協力で空き屋を無料で借り受け、今年3月に実施する予定だったが、コロナ禍で延期。初開催に向けて1カ月ほど前からホールスタッフや販売の経験を持つ利用者を中心に、注文を受ける練習を重ねるなど準備を進めている。
今月初旬には本番に向けて利用者10人が客と店員役に分かれ、オーダーを受ける手順を実践練習。店員役の利用者が「お名前を教えてください」「何を注文しますか」と話し掛け、取り扱う飲み物や菓子が一覧になったメニュー用紙に注文数をメモするなど、接客から配膳するまでの段取りを確認した。
「昭ちゃん家」を運営する合同会社しろいケアの宮下博己代表は「利用者に主人公になってもらいたい―という思いがある。皆さんもやる気になっているので、昔を思い出しながらスタッフと一緒になって楽しんでもらえれば」と話す。当日はボランティアスタッフも交えて予約客を出迎える予定だ。
宮下代表は今回の取り組みについて、「利用者が自ら考えることで認知症の進行を遅らせ、自分の好きなように動けることが安心につながる」としており、できるだけ手助けをしないよう見守りながら楽しんでもらう考え。
同施設は利用者それぞれが、好きなことや得意なことをして過ごすことをモットーとして2018年6月に開所。身体機能の維持や向上に向けた取り組みを進め、高齢者が地域の知人宅で集い、思い思いに過ごす雰囲気を目指している。
















