平取町・NEPKIと日本旅行北海道がタッグ ウポポイでガイドツアー

平取町・NEPKIと日本旅行北海道がタッグ ウポポイでガイドツアー
ウポポイを案内するNEPKIの米沢さん(手前右)

 アイヌ文化にちなんだ観光ガイドを手掛ける平取町二風谷の株式会社NEPKI(ネプキ)と日本旅行北海道(本社札幌市)がタッグを組み、白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)でガイドツアーを始めた。初回の23日は5人がツアーに参加し、白老町でアイヌ文化を身に付けた若者が案内役を務めた。NEPKIは「伝統文化を楽しく学び、興味を持ってもらえれば」とし、ガイド活動を本格化させる。

 NEPKIは、両親共にアイヌ研究者で平取町二風谷出身の米田哲雄代表(35)が今年4月に設立した。アイヌ文化が根付く二風谷地域や白老町のウポポイなどを舞台にした観光ガイドをはじめ、アイヌ民具の販売や伝統食材を生かした加工食品の開発などに取り組んでいる。

 ウポポイで日本旅行北海道のツアー参加者を案内する活動は、23日に初めて実施。白老町で3年間、アイヌ民族文化財団の伝承者育成事業に参加し、アイヌ語や伝統技術を習得した米沢諒さん(27)が札幌市と恵庭市のツアー参加者5人を案内した。

 国立アイヌ民族博物館では、伝統の文様を施した衣服や儀礼用具、狩猟の道具など展示物を紹介しながら、アイヌ民族の歴史と文化について解説。参加した恵庭市の佐々木容子さん(70)は「説明がとても分かりやすく、アイヌ文化への理解が深まった」と話した。ウポポイで初めてガイドを務めた米沢さんは「かなり緊張した」としながらも、「アイヌ文化を身近に感じ、文化伝承の大切さを分かってもらえれば」と今後の活動に意欲を見せた。25日も15人のツアー客を案内する。

 NEPKIのガイド活動には、チーフの米沢さんのほか、札幌大学でアイヌ文化を学ぶ学生3人もメンバーとなって参加する。同大で指導に当たる本田優子教授=地域共創学群=は「大学での学びを実践的に活用することは学生たちにとって、アイヌ文化習得へのやる気につながるはず」と期待した。

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