「やっと次に進める」  公営住宅完成 町民に鍵引き渡し

引渡式で竹中町長から鍵を受け取る町民

 2018年9月に発生した胆振東部地震で自宅が損壊した被災者向けに、むかわ町が整備を進めてきた公営住宅(復興住宅)が30日に完成した。

 町が整備したのは、災害公営住宅8戸を含む末広団地C棟(計18戸、2LDK)と、2LDK9戸と3LDK3戸を組み合わせて建て直した文京ハイツ(計12戸)。家賃は末広団地が月額2万4300円~4万7000円。文京ハイツは2LDKで5万円、3LDKで6万円となっている。

 花園の自宅が全壊し、大原の仮設住宅で暮らしていた深根由章さん(71)は11月中旬から末広団地に入居する予定。新しい住まいの部屋を見て「最高に良いですね」と満足げに話し、「好きなことを見つけて楽しみながら生活したい。まずは引っ越しを済ませ、ここでの生活を落ち着かせたい」と希望を語る。

 再建した文京ハイツに戻るという会社員の下谷内利哉さん(59)は7日から入居を予定し、「やっと次のステップに進める。広いし、以前よりも快適だ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 30日夕、町役場に併設する産業会館で鍵の交付式が行われ、竹中喜之町長は「避難所、仮設住宅での生活を余儀なくされ、踏ん張ってきた。一日も早く引っ越ししていただき、被災前よりも元気に過ごせることを切に願う」とねぎらいの言葉を掛け、鍵を手渡した。

 町建設水道課によると、仮設住宅入居者は29日時点で52世帯94人(鵡川高校野球部寮を除く)。末広団地には15世帯34人、文京ハイツには9世帯25人が入る予定となっており、引っ越し作業は順次行われる。

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