鵡川漁業協同組合の今季のシシャモ漁が9日に終了した。漁獲量は同組合の厚真支所も合わせて3トン程度にとどまり、不漁だった昨年が38トンでこの10分の1にも届かない。総額もおよそ1470万円にとどまり、前年を4000万円以上も下回った。「かつてない」と嘆くほどの記録的不漁に漁業関係者は危機感を募らせており、原因の究明を急ぐ。
今季のシシャモ漁は10月1日にスタート。昨年同様、21日間の操業日数で計22隻が操業したが、期間中1トン以上を水揚げした日は1日もなかった。
期間中の動向を見ていくと、初日はわずか12・1キロ。その後10キロにさえ届かない日もあるなど好転の兆しがないまま低調に推移し、最も水揚げが多かった今月7日でさえ341・2キロにとどまった。
連日、早々に漁場から引き上げてくる船も多く、最終日となった9日はしけのため、出港することなく終わった。
ここ数年の推移では2011~15年と5年連続で30トン割れだったが、資源管理の取り組みで16年以降は持ち直した。しかし、昨年は約38・3トンで再び50トンを割っていた。
同漁協の小定雅之専務理事によると、2年前は推定87万匹の親魚が遡上(そじょう)した。「本来ならば、今年はその子が親になって戻って来る」想定だったが、今回の結果に「シシャモに何が起こっているのか」と頭を悩ませる。
不漁の一因として、海水温が高かったことによる来遊の遅れなども考えられるが、現時点で詳細は明らかになっていない。今後、研究機関による調査が行われる予定で、小定専務理事は「親がしっかり遡上しているか、調査を注視していきたい」と話している。

















