北海道大学アイヌ・先住民研究センター(札幌市)と、白老町の民族共生象徴空間(ウポポイ)の中核施設・国立アイヌ民族博物館は13日、学術連携協定を締結した。共同研究や研究者の相互交流などに取り組み、国内でのアイヌ民族や先住民に関する学術研究をけん引する。
協定内容は、▽アイヌ・先住民に関する共同研究の推進▽博物館活動の推進▽研究者の相互交流▽国際シンポジウムやワークショップの共同開催▽研究施設・機器の相互活用―など。札幌市と白老町に施設を構える地理的利点を生かし、学術連携体制を構築する。
同日、同博物館での協定締結式に臨んだ同センターの加藤博文センター長は「アイヌ文化を継承していく人材育成に貢献していきたい」と述べ、同博物館の佐々木史郎館長も「アイヌや先住民研究に関する一大拠点の形成を目指したい」と意気込みを見せた。両者は、国内外の先住民研究機関とのネットワーク構築も進める考えだ。
同博物館は7月、アイヌ民族の歴史と文化を主題にした国内初の国立博物館として開館。アイヌ文化の国内外への発信に向け、資料収集や科学分析装置などを活用した研究に取り組んでいる。一方、同センターはアイヌ民族と先住民に特化した国内唯一の大学研究機関。北大大学院文学院に2019年、修士や博士の学位が取得できる専門コースを開設し、研究者の育成に力を入れている。

















