苫小牧市 上半期のDV相談、49件増の185件、シェルターの利用は減少

苫小牧市 上半期のDV相談、49件増の185件、シェルターの利用は減少
女性に対する暴力をなくす運動の一環で展開しているライトアップ事業をPRする市の担当者

 苫小牧市が2020年度上半期(4月~9月末)に受けたドメスティックバイオレンス(DV)の相談件数は速報値で延べ185件に上り、前年同期比で49件増えた。一方、市内の民間団体が運営する緊急避難所(シェルター)の利用者は減っている。シェルターの関係者は、新型コロナウイルスに起因する生活不安で加害者から離れるのをためらう被害者も多いと見て、被害の深刻化を懸念している。12~25日は内閣府が定める「女性に対する暴力をなくす運動」―。

 市ではこども支援課がDVを含めた女性相談に対応。過去5年間に同課が上半期に受けた延べ相談件数は、15年度114件、16年度130件、17年度150件、18年度183年度、19年度136件。今年度上半期は、年間相談件数が過去最多の402件を記録した18年度とほぼ同水準で推移している。

 相談内容の多くは暴力被害に関するもので、今年度上半期は住民票を移さずに加害者と離れて暮らしている人から、政府が緊急経済対策で実施した10万円の定額給付金の受給方法などを尋ねる相談も目立った。担当者は「被害女性は自立した後もさまざまな面で不安を抱え続けている」と話す。

 一方、市内のNPO法人ウィメンズ結が運営するシェルターの今年度上半期の利用者数は前年同期比9人減の10人。相談件数は現在集計中だが、同NPOは「例年よりも確実に減っている」と話す。

 担当者はその理由について、新型コロナの感染拡大で在宅時間が増え、夫婦などが一緒に自宅で過ごす時間が増えているためとし、「加害者が常に近くにいるため、相談したくてもできない人もいるのでは」と話す。さらに、雇用環境など社会情勢が変化していることへの不安があり、加害者から逃れて自立するのをためらう人も多いと分析。「暴力被害は時間の経過とともに深刻化する。問題を先延ばしにするのは大変危険」と指摘する。

 市内ではDV問題への関心を高めてもらおうと、「女性に対する暴力をなくす運動」に合わせた啓発活動が行われている。市男女平等参画推進センターでは館内で啓発展示を実施し、DVに該当する行為や、被害に遭った場合の相談先などを紹介。12日からは市内表町の苫小牧信用金庫やふれんどビル、同高丘の緑ケ丘公園展望台など市内4カ所で同運動のシンボルカラーである紫色にライトアップ中だ。

 市協働・男女平等参画室の宮嶋紀子室長は、相談をためらっている人が身近にいる場合「周りの人が支援につなげてほしい」と呼び掛けている。

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