苫小牧市内を拠点に活動する中学年代唯一の男子バレーボールチーム・苫小牧ジュニアクラブが2年生メンバーわずか6人で活動中だ。新型コロナウイルス禍で大会中止が相次いだ中、中学男子競技の情熱のともしびを地域で燃やし続けている。主将の小路悠翔(青翔2年)は「人数が少なくてもやることは変わらない。来年のクラブ大会優勝に向けて頑張る」と抱負を語った。
11月下旬に開催予定だったクラブ大会(札幌市)が新型コロナの影響で中止となり、不本意な形で3年生7人がクラブを退いた。新チームには小路のほか、小林翔(青翔)、太田敦士(同)、矢部寛太(同)、大原啓希(和光)、成田雄生(啓明)の小学年代から競技に取り組んできた生徒が名を連ねる。
160センチ台が大半で例年に比べて身長の平均値は低いが、青翔中教諭でクラブの指導に当たる対馬満監督は「みんな明るくて素直」と6人の人柄のよさをチームワークに生きる資質と認める。コロナ禍で大会出場の見通しは当面立たないが、冬期間はサーブ、レシーブ、トスなど基礎的な動きを徹底的に究めていく構えだ。
少人数を言い訳にせず「自分が今できることを一生懸命やる。技術だけではなく、精神的にもたくましい選手になってほしい」と対馬監督は期待。小路主将は「人数が少ない分たくさん練習ができる。不安はない」と頼もしい。
市内の男子バレーボールは再び苦境に立たされている。2001年度に当地の中学校から男子チームが消滅したことを契機に、競技人口確保や普及継続のため同年秋に苫小牧ジュニアが発足した。クラブ員は14年度に一時4人にまで減ったものの、地道なPR活動やバレーボールを題材とした漫画「ハイキュー!!」の流行で、17年度には26人が集まるまでの大所帯になった。
ただ、19年度までに東胆振から小学年代の男子チームが姿を消すなどし、加入の生徒はついに一人もいなかった。対馬監督は「中学からでも十分うまくなれる。バレーボールをやってみたい子は積極的に受け入れていきたい」と来年以降を見据える。
小路はメンバーの思いも代弁し、「バレーは一つのボールをみんなでつなぐ競技なので、チームの一体感が大切になる。仲間たちとの絆が深められる、競技じゃない部分にも楽しさがある」と魅力を語った。
―苫小牧ジュニア 選手募集中
バレーボールクラブの苫小牧ジュニアは、小学6年生から中学2年生までを対象に選手を募っている。青翔中体育館を拠点に週5日ほど活動。競技未経験者歓迎で、練習体験や見学は随時受け入れ中だ。問い合わせは監督の対馬満教諭。青翔中 電話0144(51)2151。
公式戦出場の機会に備えて練習に励む苫小牧ジュニアの選手たち

















