公立千歳科学技術大学の川瀬正明理事長兼学長(73)が来年3月末での辞任を表明した。1999年4月から長年にわたり、同大の運営をけん引し学生の学業や就職活動をサポートした川瀬学長に大学での21年間を聞いた。
―任期半ばの辞任について。
「昨年4月の公立大学化から1年。『教育』『研究』『地域貢献』を柱とする運営改革も軌道に乗った。学長としての在任期間が10年を超え、今が新しいリーダーに後を託す適切な時期と考えた。また、道内の国公立大学に肩を並べるため4年後の教員55人体制に向けた増員と情報通信技術系の新棟建設の見通しが立った」
―私学を公立化した背景は。
「少子高齢化で日本の大学は存続を懸けた再編を迫られている。地方の小規模な単科大学も状況は同じ。公設民営の本学は無借金運営。山口幸太郎市長の早い決断で実現できた。公立大学には全国から優秀な学生が集まるメリットがある。公立化後の昨年は全国47都道府県の志願者が受験。志願者、入学者に占める道外勢はこれまでの1・5~2倍に増えた」
―今後の展望は。
「情報通信系の強化とコロナ禍で滞っている海外大学との交流。大学院の充実も図っていく」
―学生たちにエールを。
「学生は真面目で粘り強い。自分を枠にはめず、自身の可能性を信じ自信を持って新しいことにチャレンジしてほしい。今、置かれた場所(環境)で頑張ってほしい」
―科技大での21年間を振り返って。
「着任当時は開学の翌年。就職氷河期の終盤。就職部長として1期生の2年後の就職を見据え、人脈を駆使して学生の数を上回る求人票を集めた。学長就任後は教壇に立つ傍ら『キャリア教育』に重点を置く本学をアピールして学生集めと公立化の準備を進めた。公立化後、定員(960人)割れは目標の3年を2年で解消。今年在籍学生が1000人を超えた。大学では先頭に立って思うことがやれてやりがいがあった」
メモ 小樽市出身。北大大学院工学研究科博士課程を修了し、1972年4月に日本電信電話公社(現NTT)入り。研究開発部門で光ファイバー(光通信)の開発に従事。99年に千歳科学技術大学教授。就職部長を7年間、研究科長、総合光科学部長を各2年。2009年学長に就任。19年4月に大学の公立化に伴い理事長と学長に就任。
















