室蘭児童相談所(室蘭市)が2019年度に対応した児童虐待件数は、速報値で513件に上ったことが同所のまとめでわかった。18年度比で84件減少したものの、高止まり傾向が続いている。一方、虐待が疑われるとして寄せられた通告件数は808件で、過去最多を大幅に更新した。虐待が懸念されるケースは依然として後を絶たないといい、深刻な状況に同児相も危機感を募らせている。
室蘭児相は、虐待に関する相談や通告を受けた件数と、事実確認で虐待が認められ、対応に当たった認定件数をそれぞれ公表。子どもの人数を件数としてカウントしている。
19年度の認定件数の内訳を見ると、暴言や無視、子どもの目の前で配偶者に暴力を振るうなどの「心理的虐待」が342件(66・7%)で最も多く、食事や衣服を適切に与えなかったり、子どもだけで長時間放置したりする「養育怠慢」(ネグレクト)は88件(17・2%)、「身体的虐待」は74件(14・4%)、「性的虐待」は9件(1・8%)だった。
主な虐待者は約5割が実父で、実母も約4割。虐待被害を受けた子どもの約4割に当たる211人が未就学児で、小学生182人、中学生と高校生などがそれぞれ60人となっている。
室蘭児相は4市14町を管轄しており、このうち苫小牧は約半数を占める283件で最多。虐待認定後に児童福祉司などが保護者に養育の助言や指導をする「面接指導」は全体の約9割で、児童養護施設や乳児院などへの入所に至ったケースは23件となった。
一方、虐待が疑わしいとして室蘭児相に寄せられた通告・相談件数は、これまで最も多かった18年度(644件)を大幅に上回る808件。このうち6割強の519件が警察からの通告で、家族や親戚、近隣知人も103件に上った。
室蘭児相の担当者は「札幌市で起きた子どもが亡くなる虐待事件や、体罰禁止を盛った法改正による危機意識の高まりで増えたのではないか」と分析する。虐待に関する通告は今も頻繁に受けているのが現状で「楽観視はできない」と話している。
















