苫小牧市の岩倉博文市長が11月末の記者会見で発表した、家庭ごみの「戸別収集」の全市拡大を一時凍結する方針をめぐり、苫小牧市議会定例会でも論戦が交わされた。岩倉市長は一時凍結の理由に新型コロナウイルス流行という想定外の状況を挙げ、「(最終的に)政治判断をしないといけないと思うが、もう少し状況を見守ってほしい」と理解を求めた。
戸別収集は、自宅前に出したごみを収集業者が回収する仕組み。市は市内14地区(約3000戸の戸建て住宅)をモデル地区に指定し、2016年7月から試行的に始め、全市拡大の可否を探った。収集業務に伴うコスト増や作業員不足の課題に加え、コロナ禍が直撃し、一時凍結を決めた。
4日の一般質問で首藤孝治氏(改革フォーラム)は市民サービス向上への一定の理解を示す一方、コスト増が甚大として「中止するべきだ」と迫った。これに対し、町田雅人環境衛生部長は今後の超高齢化社会のごみ排出問題や循環型社会の構築を見据え、「将来的には全市に拡大する方針」と説明。コロナ禍や作業員の人手不足の状況を見極めるため、凍結期間の2~3年でモデル地区の戸別収集を続け、「ふくしのまちづくり」にふさわしい収集の在り方を検討するとした。
首藤氏は戸別収集の試行的導入で収集委託費がすでに約8400万円多くなっている上、仮に全市拡大すると約3億5000万円掛かるとの試算を挙げ、方針転換を求めた。これに対し、町田部長は「ごみ収集作業の効率化を図る」と強調。戸別収集の副次的効果のごみ減量に触れ「ごみ焼却炉への負荷が減るため、ごみ処理施設の延命化につながり、ごみ行政全体の費用抑制に資するのでは」との見解も示した。
岩倉市長は「高齢者だけでなく、子育て世帯にも好評。市民サービスの観点から戸別収集のシステムを根付かせ、次の世代に伝えていきたい」と力を込め、凍結期間にコスト問題を再度精査し、最終的に「政治判断をする」と述べた。
















