白老町虎杖浜にある虎杖浜神社の新しい社殿が完成した。明治時代に創建された同神社の現社殿は、建設から77年が経過し、著しく老朽化したため、氏子総代会(松田喜代一会長)が建て替えを進めていた。氏子総代会は15日、神体を新しい社殿に移す遷座祭を執り行う。
同神社は虎杖浜地区の守り神として地域住民の信仰を集め、毎年7月の例大祭には各町内会がみこし渡御を行うなど伝統を引き継いでいる。しかし、社殿の老朽化が著しく進み、改修も不可能な状態となったため、氏子総代会が建て替えを決断。地域の町内会が管理・所有する神社の一部敷地を今年春、虎杖浜の宿泊施設事業者に売却したほか、住民や事業者から寄付を集めて工事費1700万円を確保。現社殿の隣地で今年夏に着工した。
完成した新社殿は木造平屋建て面積41平方メートル。新しい鳥居も建てたほか、こま犬や灯籠の設置、参道整備も進め、15日の遷座祭を迎える。遷座祭は新型コロナウイルス対策で氏子総代会役員のみで執り行う。神体を移した後、現社殿は解体する予定だ。氏子総代会は「虎杖浜神社は地域住民の心のよりどころ。新社殿の完成を住民と共に喜び合いたい」としている。
アヨロ海岸の丘陵部にある虎杖浜神社の起源は、123年前の1897(明治30)年に創建された「アヨロ稲荷神社」。虎杖浜の別の場所にあった社殿は、戦時中の1943(昭和18)年に現在地へ移すことになり、氏子関係者が青森県からヒバ材を取り寄せて現社殿(面積約51平方メートル)を建設した。戦後の54年、現在の虎杖浜神社へ改称した。

















