新型コロナ感染拡大 相次ぐ中止「苦渋の決断」東胆振

新型コロナ感染拡大 相次ぐ中止「苦渋の決断」東胆振

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、むかわ、厚真、安平の3町でも再び教育活動やイベントを自粛、中止する動きが強まっている。道内で感染者が高止まりする状況を受けたもので、すでに年明けの行事にも影響が及んでいる。これまで2年前の胆振東部地震の復興も後押しして、催事が相次いだ3町だが、例年以上に静かな年末年始になりそうだ。

 むかわ町では当初、11月下旬に穂別地区で北海道教育委員会によるへき地・小規模校での「草の根教育実習」で大学生5人の受け入れを予定していたが、感染者が急増する状況を踏まえて12月に延期。代替として今月14日から5日間で計画していたが、これもかなわず、結局受け入れを断念した。町教委の担当者は「自ら希望して来る熱意のある学生と聞いていたので残念だ」と漏らした。

 また13日に同地区で予定していた町子ども化石くらぶ「ハドロキッズチーム」の最終講座を見送った。感染症対策の観点からスタートを8月に遅らせたほか、中学年と高学年の2クラスに分け、それぞれ講義も例年より少ない計4回まで減らして実施してきたが、札幌圏からの受講者が多いことも踏まえて決断。町恐竜ワールド戦略室は「道のガイドラインを徹底、対策して行うのは難しい」と判断し、延期の予定もないという。

 コロナ禍の影響は年明けにも及ぶ。厚真町では1月17日にかしわ公園野球場で予定していたスポーツイベント「あつま国際雪上3本引き大会」を初めて中止にした。今年1月の大会には道内から過去最多の61チーム約1000人が参加しており、今回は出場チーム数を縮小するなど実施に向けた方策を模索してきたが、「1%でも感染の可能性がある状態での開催はできない」と苦渋の決断に踏み切った。

 安平町でも実行委員会が主催し、毎年2月初旬に追分公民館で行われる「ロビーコンサート」の中止をすでに決定。ロビーの大きな窓からアイスキャンドルが見える幻想的な雰囲気の中で音楽を楽しむイベントとして継続してきたが、開催は難しいとの判断に至った。イベント関係者によると、代わりに「少しでもぬくもりを感じてもらいたい」と道の駅と早来、追分両地区のまちなかにアイスキャンドルのみ設置することを検討しているという。

 新型コロナウイルス感染症はいまだ道内で猛威を振るっており、現時点で終息する見通しは立っていない。今後も各種催事の自粛、中止の動きはさらに広がるとみられる。

■年明けに中止が決まった主なイベント

○胆振東部消防組合消防本部出 初め式

 (1月4~7日、厚真、安平、むかわ町)

○新年交礼会 

 (1月初旬、厚真、安平、むかわ町)

○新春書初め大会          
 
(1月初旬、むかわ町)

○あつま国際雪上3本引き大会

 (1月17日、厚真町かしわ公園野球場)

○ロビーコンサート

 (2月初旬、安平町追分公民館)

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