西日本を中心に高病原性鳥インフルエンザの感染が拡大しているのを受け、苫小牧市や近郊地域でも警戒の動きが強まっている。市内では2016年にハヤブサの死骸からウイルスが検出された例があり、渡り鳥の中継地ウトナイ湖(植苗)をはじめ、厚真町の養鶏場でも監視と対策の強化に努めている。
道内では10月24日、紋別市で野鳥のふんからウイルスが確認され、その後も鹿児島、新潟の2県で、野鳥の死骸やふんからウイルスが検出される例が8件あった。また香川、兵庫、福岡、宮崎など6県19件の養鶏場で感染を確認。拡大は続いており、環境省は対応レベルを最も高い3(国内複数箇所発生)に引き上げ、鳥インフル発生抑制と被害最小化のため監視体制を強化している。
多くの水鳥の中継地になっている国指定鳥獣保護区のウトナイ湖では、日本野鳥の会ウトナイ湖サンクチュアリのチーフレンジャー中村聡さん(58)が域内の監視に当たる。同省から任命された保護区の管理員として週1回、定期的に監視を実施。通常は個体数や種名の確認が主だが、現在は水鳥の異常な行動や死亡個体のチェックに目を光らせる。
千歳市や厚真町、白老町などの近郊には養鶏場があることから、「感染が広がれば大きな問題になる」と中村さんは強調。「北海道は水鳥の渡りのシーズンを過ぎているが、道内で越冬するオオハクチョウやカモ類もいる。来年3月ごろからは、本州方面で越冬した野鳥の北帰行も始まる」と心配する。
厚真町浜厚真の採卵鶏農場、小林農園(小林廉代表)では平たんな地面の上でニワトリ3000羽を放し飼いにし、小麦や米ぬかなど道産飼料を与えている。家畜保健衛生所の指導に基づき衛生管理を徹底し、これまでも出入り口への消石灰の散布や靴用の踏み込み消毒槽を設置してきた。小林代表(37)は「スタッフにも周知して、これまで以上に危機感を持って予防に努めたい」と力を込める。
苫小牧市も鳥の死骸や異常行動に関する情報などに注意を払い、市民には「野鳥に素手で触らないで」と呼び掛けている。
















