「あつま災害エフエム」年内で放送終了  「前へ向かって進んだ証し」  29日に最後の放送

「あつま災害エフエム」年内で放送終了  
「前へ向かって進んだ証し」  29日に最後の放送
年内で終了する臨時災害FM局「あつま災害エフエム」。夕方の放送でパーソナリティーを務める岡橋さん

 厚真町は、2018年9月の胆振東部地震直後に開局した臨時災害放送局「あつま災害エフエム」の放送を年内で終了することを決めた。震災から2年がたち、11月末にプレハブ型の応急仮設住宅の入居者が新たな住まいへ転居して1カ月のタイミングを一つの節目とした。町は「いろいろな方の支援、聴いている人がいて続けてこられた」と感謝の思いを述べる。29日が放送最終日となる。

 あつま災害エフエムは2年前の地震発生後、北海道総合通信局と町が協議し、同局と道内外のFMラジオ局関係者が町役場の放送室に必要機材を持ち込んで、スタジオにした。周波数は81・4メガヘルツで町役場から放送している。

 これまで町職員や地域おこし協力隊、町民がパーソナリティーを務め、震災直後は平日の午前8時と正午、夕方の3回、現在は午前と夕方時に30分~1時間ほどの番組を届けてきた。

 震災直後は給水や炊き出しなど、被災者向けの生活支援情報を中心に提供。復興が進むにつれて役場からのお知らせや天気情報、町民の生活に密接する内容のほか、音楽や雑学も含めて町民が元気になるような企画、最近では新型コロナウイルス感染症対策に係る情報も届けてきた。

 放送回数は1300回を超え、年内の放送で1400回に到達する予定。町によると、災害FMとして2年以上続けるのは異例だという。

 最終日の29日は午後6時から30分ほどの番組を予定している。パーソナリティーの一人でもある町まちづくり推進課の岡橋篤志さん(32)は「寂しいけれど、災害FMとしての役割を終えることは、被災した皆さんが前へ向かって進んでいる一つの証しになるのでは」と話す。

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