防疫

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 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。苫小牧市内に限っても、保育園でクラスター(感染者集団)が発生したり、市幹部の感染判明に伴って市議会が休会したり。市役所第2庁舎はきょうまで、市民の立ち入りが制限されるなど、緊張感のある局面が続いている。

 過日の紙面で伝えたが、市は職員の感染判明を受け、「予備的検査」を精力的に行っている。濃厚接触者ではないが、感染者と接触した可能性がある人を洗い出し、PCR検査の対象を広げる手法。市幹部の事例では、岩倉博文市長以下59人を検査し、全員の陰性が確認され、市議会もきょう再開、閉会の流れ。感染は拡大しなかった。

 クラスターの発生事例などで、その検査者数の多さに、不安に駆られる読者もいるだろうが、「念のため」検査も進めている背景がある。もちろん感染拡大の恐れはあるが、すぐに陰性と判明し、日常生活に戻れる方が多い。情報の積極的な発信は「身近で出たから気を付けよう」と感染予防につなげる意図も大きい。

 それでも心ない人が「感染者が出た企業の社員が出歩いている」などと誹謗(ひぼう)中傷したケースもあると聞いた。人権意識の欠落にあぜんとする。感染者は希望して感染するわけではない。情報を公表した個人などは、いわば防疫の協力者。顔を見えやすくすることで注意を促し、安心も提供していることを知ってほしい。(金)

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