町整備の日本航空学園白老滑空場  無償使用見直しへ 学科移転で条件崩れる

町整備の日本航空学園白老滑空場 
無償使用見直しへ 学科移転で条件崩れる
日本航空学園が管理運営している白老滑空場

 白老町北吉原で学校法人日本航空学園(本部・山梨県甲斐市)が管理運営する白老滑空場の滑走路や土地について、町は同学園の無償使用を見直す方針だ。同学園は航空業界人材育成の日本航空専門学校白老校(東町)を2018年から休校し、校舎も今年9月に売却。このため、白老校の運営を前提にした無償使用の条件が崩れた。町は今後、学園側と条件の見直しを協議する考えだ。

 15日に開かれた町議会定例会で前田博之氏(きずな)の一般質問に町が答えた。

 白老滑空場は白老校開設を前に、町が滑走路(600メートル)やエプロンなど基本施設を整備し、同学園が管理棟など付帯施設を建設する形で1995年に完成した。整備の前には、町が滑走路や土地を同学園に無償で貸し、将来的には譲渡するという内容の覚書も交わした。

 町は、航空産業科など2学科を持つ白老校が開設された2003年、滑走路をさらに200メートル延伸。同学園が滑空場を管理運営し、フライト実習の場に活用してきた。しかし、同学園は18年3月、校舎の狭あい化などを理由に白老校の学科を千歳校(千歳市)へ移設。今年9月には、北海道栄高校を運営する学校法人京都育英館(本部・京都市)に対し、白老校の校舎を売却した。

 白老校を閉じ、滑空場無償使用の条件が崩れたことを踏まえ、一般質問で前田氏は「今後の扱いはどうするのか」と町に迫った。竹田敏雄副町長は「学科が移転し、校舎も売却された事実から覚書を見直し、管理運営などについて学園側との整理が必要」との考えを示した。

 町は滑空場の開設に当たり、滑走路やアクセス路の町道整備などで9億円以上の公費を投じており、竹田副町長は「滑空場を公の施設にするための条例を作り、スカイスポーツの利用など有効活用を図ることも考えたい」と述べた。

 滑空場の管理棟や格納庫は同学園の所有施設のため、全体の公共施設化には課題を抱えているものの、戸田安彦町長は「覚書見直しの中で学園側とも話し合いながら、利活用の方策を検討したい」とした。

関連記事

最新記事

ランキング

一覧を見る

紙面ビューワー

紙面ビューワー画面

レッドイーグルス

一覧を見る