来月施行、子どもを虐待から守る条例  市内関係者は歓迎 「庁内体制の整備や施策を」

来月施行、子どもを虐待から守る条例 
市内関係者は歓迎 「庁内体制の整備や施策を」

 「苫小牧市子どもを虐待から守る条例」の来年1月1日施行が正式に決まった。児童福祉などの専門家らの意見を基に児童虐待防止法よりも踏み込んだ内容で、市、市民、関係機関や保護者が担う責務を明確にし、子どもの安全と健やかな成長を守るための意識醸成を図る。児童福祉に携わる市内の関係者からは「虐待のないまちに向けた第一歩」など喜びの声が上がった。

 市内東部の保育関係者は「とても素晴らしい条文」と率直な思いを語る。運営する保育園では注意深く見守る中で虐待が疑われるケースを幾つも見てきたといい、「絵に描いた餅にしないよう、子どもに関する相談を取りこぼさないための庁内体制の整備や、条例を推し進めるための具体的な施策が必要」と求める。

 子ども食堂を運営するNPO法人木と風の香りの辻川恵美代表は、地域住民の立場で子どもたちを見守ってきた経験から「子どもに関する問題は市民一人ひとりが自分の事として考え、みんなで手を取り合って取り組むことが大切」と強調。一人でも多くの市民が条例のことを知り、理解を深めることが虐待の撲滅につながると期待する。

 児童福祉を専門とする藤女子大学保育学科・子ども教育学科(石狩キャンパス)の小山和利教授は「虐待のない社会を実現するには多くの気付きと協力が必要」と話す。市子ども・子育て審議会の部会メンバーとして条文案を練り上げてきたことにも触れ、「市民の心を一つにする原動力になってほしい」と思いを託す。

 市内では条例制定直前の11月下旬に北光町で幼児の死体遺棄が発生。過去にも児童虐待で命を落とす事件が起きている。市が対応した虐待件数も2019年度の1年間で246件、今年度も上半期(4~9月)で94件に上るなど状況は深刻だ。

 条例では虐待を受ける恐れがある場合や、虐待の事実を確認できなくても何らかの困りごとを抱えている家庭への支援を行うことも市の責務とした。市健康こども部の桜田智恵美部長は条例について、「苦しい思いをしている子どもや保護者を支援するための道しるべの位置付け」と説明する。

 条例が施行される来年1月には、市内双葉町に室蘭児童相談所苫小牧分室と市の児童相談拠点が入居する複合施設も開設する。市は大切な命を守るため、「児童相談体制の一層の強化を図りたい」と話している。

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