CCUS拠点化に60億円 世界初 液化CO2の長距離輸送実証へ 21年度予算案

CCUS拠点化に60億円 世界初 液化CO2の長距離輸送実証へ 21年度予算案
苫小牧市真砂町のCCSプラント。苫小牧CCUS拠点の一翼に

 21日に政府が2021年度予算案を閣議決定し、苫小牧市で二酸化炭素(CO2)を回収、有効利用、貯留する「CCUS」の拠点化に向けた予算が計上された。液化CO2の船舶輸送技術を確立する新規事業、既存のCCSプラントを有効活用するカーボンリサイクル実証試験に向けた事業費など、関連総額は60億3000万円。関係者は「地域経済の活性化につながれば」などと期待している。

 菅政権が50年度の「脱炭素社会の実現」を掲げる中、経済産業省は21年度予算案でCCUS、カーボンリサイクル推進に438億円を計上した。「苫小牧CCUS」関連予算は前年比2・7%減ながら主要事業で、同省地球環境対策室は「概算要求した要素はすべて入った。苫小牧はポテンシャルが高く、社会実装に向けた重要な拠点」と話す。

 目玉は液化CO2の長距離輸送実証で、24年度にも本州から苫小牧に船舶輸送を行う。CO2の大規模、長距離輸送は世界的な課題で、CCUSとしては世界初の試みとなる見通し。CO2の液化、出荷や受け入れなどを行うため、21年度に実現可能性調査や基本設計、22、23年度に実施設計や設備整備を行う予定だ。

 CO2から燃料や化学品の原料になるメタノールを製造する「CCUS実証」に向け、20年度は実現可能性調査と新プラントの基本設計を進めているが、21年度は実施設計に移行する見込み。22年度にも新プラントを整備し、23年度に実証試験を行う計画だ。

 苫小牧CCUS・カーボンリサイクル促進協議会(会長・岩倉博文市長)は国のこうした動きを見据え、9月に改編・改名したとあり、事務局の市港湾・企業振興課は「地元産業の裾野が広がれば」と期待。今後は企業向けの勉強会などを開いて情報共有し、関連産業誘致の機運醸成などを図る。

 国は12年度から国内初の大規模プロジェクトとして、CO2を回収して地中にためる「CCS」の実証試験を展開。約300億円を投じて苫小牧市真砂町にプラントを建て、19年11月に目標30万トンを苫小牧沖の地中に圧入し、安全に実用化できる技術と結論付けた。CCUS実証は既存プラントを有効活用するため、隣地での新たなプラント建設を想定している。

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