2020年は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大で、苫小牧の地域経済も大打撃を受けた。そんな1年を振り返りながら、苫小牧商工会議所の宮本知治会頭に新年の展望を聞いた。
―今年はどんな1年だったか。
本来であれば、出光興産北海道製油所で4年に1度の大規模定期補修工事(SDM)や王子製紙苫小牧工場で抄紙機の改修、苫小牧中央インターチェンジ(IC)の開通などでまちもにぎやかになるはずだった。それが、新型コロナによって、飲食、サービス業をはじめどの業種も大変苦しい思いをしている。年末年始についても感染者数増加を受けた自粛要請などで、業況の回復が遅れている。
―商工会議所として取り組んだ事業者への支援は。
1月に経営相談窓口を開設し市や道、国、金融機関などの補助金や助成金、融資制度を紹介している。5月と7月には市と意見交換会を開催。プレミアム(割り増し)付き商品券の発行を実現させた。6月から9月にかけては会員事業所に独自の支援事業を展開し、365件1039万円の支給を行った。
―地域経済の現状と課題は。
苫小牧は製造業、建設業の大きな企業を抱え、道内他都市に比べると有効求人倍率などの落ち込みは緩やかだ。一方で、新型コロナによって中小、零細企業は廃業を検討しなければならないほどの厳しい状況に追い込まれている。旧苫小牧駅前プラザエガオの空きビル状態が続いており、市に駅周辺再整備構想の策定を要望している。(市や経済界が誘致を目指す)IR(カジノを含む統合型リゾート施設)については、9日の道議会予算特別委員会で鈴木直道知事が「北海道らしいIRコンセプトの構築に取り組んでいく」と答弁した。今後の動向を見守りたい。
―脱炭素化の流れが加速している。苫小牧の可能性をどう見ているか。
商工会議所として、市に水素の利活用を提案している。道内の重要なエネルギー拠点である北電苫東厚真火力発電所に対し、燃料を石炭からLNG(液化天然ガス)に切り替えるよう要請した。苫小牧では二酸化炭素を回収して地中にためるCCSの実証実験が行われた。脱炭素化の実現に向け、製造業部会を中心にわれわれも仕組みへの理解が必要だが、苫小牧のポテンシャルは高いと思う。
―アフターコロナを見据え、企業はこの状況にどう対応していくべきか。
経済活動が止まるようなことは避けなければならない。感染防止対策と経済活動の両立が大事なポイントとなる。観光支援事業の「Go To トラベル」も引き締めるところは引き締めながらの適切な対応が求められる。コロナ収束後の社会は、今までと違う形になるのではないか。意欲ある中小企業がチャレンジする姿勢を失わず、変化する時代に対応するための支援を行いたい。
















