新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ、白老町立国保病院は、発熱外来の患者を対象に感染の有無を調べるウイルス検査を開始した。従来は主に患者自身が苫小牧市の専門機関で調べる形となっていたが、今月から同病院で検査できるようになった。同病院は「地元で検査体制を整えたことで患者の負担軽減を図りたい」としている。
同病院が始めた検査は、ウイルス自体を検出する抗原検査と、ウイルス遺伝子を検出するPCR検査。抗原検査では患者の鼻腔(びこう)粘液を採取し、導入した検査キットで分析。15分程度で陽性、陰性の結果が出る。陽性の場合、同病院が苫小牧保健所へ連絡して必要な措置を講じる。
PCRでは患者の鼻腔粘液や唾液を採取し、外注先の臨床検査機関で検体を調査。1~2日後に感染の有無が判明する。同病院は院内で検体を調べられるようにするため、近く専用の検査機器を導入し、より早く結果を把握する体制を整える方針だ。
同病院は新型コロナ流行を踏まえ、熱やせきなどの症状が出た人を診察する発熱外来を昨年2月24日に開設した。検査に関しては、医師が必要と判断した場合、患者に苫小牧市の発熱検査センターを紹介。苫小牧市へ赴くことができない高齢者などに対しては、院内で検体を採取し、苫小牧保健所へ運ぶ形を取っていた。
こうした中、院内で検査できるようにしたことについて、同病院は「苫小牧市へ検査のために赴かなければならないという患者の負担の解消や、処置の円滑化などメリットは大きい」と言う。また、「地元の病院で調べられるのは、患者の安心感にもつながるのでは」と期待する。
一方、院内にある発熱外来の診療室に関しては、モビリティーハウスと呼ばれる簡易施設を活用し、2月に病院の屋外に置くことを計画している。診察室を屋外へ移動させることで院内感染の防止を図る考えだ。

















