鵡川神社 再建への道のり伝える 「復興記念誌 未来につなぐ」作成

鵡川神社 再建への道のり伝える 「復興記念誌 未来につなぐ」作成
鵡川神社の被災状況と復旧した様子を記録した復興記念誌を手にする中井さん

 2018年9月に発生した胆振東部地震で社殿が半壊の被害を受けた、むかわ町福住にある鵡川神社の再建を目指す復興奉賛会(中島勲会長)は、被災直後や復旧工事の様子などをまとめた「鵡川神社復興記念誌 未来につなぐ」を作成した。震災の記録と復旧を果たすまでの過程を残すとともに、寄付してくれた人たちに感謝の気持ちを伝える一冊だ。

 昨年末に完成した記念誌はA4判40ページで400部を印刷した。被災直後や復旧工事の様子などの現場を撮影した写真をはじめ、被災から修復に至るまでの経緯を詳細に記した。後半は震災以前の沿革を写真で紹介している。

 鵡川神社は、18年の地震による上下左右の揺れで境内に地割れが起きたほか、社殿の基礎となる柱はずれて壁のあちこちも剥がれ落ちた状態になり、町から「半壊」の判定を受けた。社殿の修復には少なくても約3700万円が見込まれたため、19年に有志が復興奉賛会を立ち上げ、町内外からの寄付金集めを開始。地元企業や町内会、自治会、町外から160件ほどの支援を得た。奉賛会によると、寄付に協力した人数は1437人、総額は約4700万円に上った。資金のめどが立ったことで昨年春から始まった工事は8月末に完了した。

 奉賛会事務局長で記念誌編集責任者の中井弘さん(73)によると、町外の人から毎月5000円ずつ寄付があったことにも触れ、「その思いがうれしかった。胸が熱くなりましたね」と振り返る。

 記念誌は寄付をしてくれた個人や団体に配布したほか、町内の図書館など公共施設に寄贈する。中井さんは「二度とあってはならないことだけれど、こうして立ち直ったことが後々まで分かる。皆さんに見てもらうことができる場所に置きたい」と話している。

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