苫小牧海上保安署は15日までに、2020年の管内(苫小牧市、厚真町、むかわ町)の海上犯罪発生状況をまとめた。地検への送致件数は前年比23件減の28件で、10年以降で最も少なかった。しかし、密漁など漁業関係法令違反が25件(同4件減)を占め、海草類や貝類を違法に採取する人が後を絶たない。
法例違反の内訳は、漁業法違反が8件、道海面漁業調整規則違反が17件。密漁事案は計17件で、ノリやコンブなどの海草類6件、ホタテ4件、エゾアワビとエムシ各2件、ウニ、ツブ、イガイ各1件。市民が手や道具を使って海草を採るケースが目立つという。中にはナイフなど違法漁具で切り取ったとして銃刀法違反で検挙、送検されたケースもあった。
同署は取り締まりを強化するとともに、不審な事案を見掛けたら積極的に118番通報するよう呼び掛けている。長内正巳次長は「養殖された海草類や貝類の採捕は漁業全体に影響を与えかねない。市民全体で海域を見守る意識が重要」と話している。
また海難は、船舶事故が前年比2隻減の7隻、人身事故は同5人減の8人だった。船舶事故は、衝突が3隻、無人漂流やバッテリーの過放電などによる運航不能が2隻、乗り上げと浸水が各1隻だった。人身事故8人の内訳は、海中転落3人、自殺2人、負傷と溺水、病気が各1人。不適切な操船や見張り不十分など人為的なミスが事故に発展するケースが目立つという。同署は新型コロナウイルス対策としてインターネットのさらなる活用を見据え、「非接触型の効果的な海難防止指導を展開し、海難ゼロを目指したい」としている。
20年中に道内全域で受けた118番通報は約3万2000件で、同署関連の事案14件の発覚につながった。同署は通報による市民の協力が海上犯罪や海難防止に不可欠とし、118番の利活用を呼び掛けている。



















